大阪淀川区の新大阪で暮らしていたという由美子さんは、ココチ舎のオーナー、市野雅利氏との結婚で今田町へ。20年前は今ほど町に活気がなくて、夜11時にはコンビニが閉まるほど。外灯もほとんど無く想像していた以上に田舎だったこともあり、当時はご主人に騙されたと思ったのだそうだ。しかし、暮らしてみるとここは閉鎖的な田舎町ではなかった。外から入る人を受け入れる温かみがあり、人と人とがつながり易い土壌だった。すぐに周りの住民と親しくなった由美子さん。「畑で採れたキュウリをたくさん頂いたり、おかげでキュウリのレシピが増えました(笑)」と当時を振り返る。今では若い人が多く活躍し、活気溢れる今田町。陶芸美術館などの観光スポットもあり、陶器祭などのイベントも盛大に行われている。
「自然に囲まれていますし、子育てや物作りが好きな人にはすごくいい環境だと思います」。
春には公民館の桜がライトアップされ、みんなでいろいろと持ち寄って花見を楽しみ、夏にはホタル観賞や鮎とりをして遊んだり、秋の紅葉もキレイで毎日散歩するだけでも季節を感じられる。
都会から今田町に来て20年。お話される由美子さんの満面の笑みを拝見すれば、今田町の魅力が存分に伝わってくる。
「店番をしていて、雪が多い冬の日なんかはお客さんが来ない時もあるんです。そんな時は子どもとピザを焼いやり、好きな縫物をしています。野菜もすごく美味しいし、自分で作ることもできますよ」。今田町は、その土地に馴染んで行く楽しさが感じられる場所。今田町ならではの人の結びつき、ゆっくりと過ぎる時間、素朴な日々が、住民を自然とステキな笑顔に変えてくれるのだろう。